雨水貯留槽の設置義務と設置基準

目次

雨水貯留槽の設置義務はあるの?

台風やゲリラ豪雨などの水害から人々の暮らしを守る雨水貯留槽ですが、設置にあたっての条件や義務はあるのでしょうか?

雨水貯留槽の設置義務は自治体によって異なる

雨水貯留槽の設置義務の定めは、自治体によって異なります。集中豪雨などの影響が大きい地域においては、自治体の条例によって治水施設の設置が義務付けられている場合もあります。

2014年に公布された「雨水の利用の推進に関する法律」では、水資源の有効利用とともに、下水道や河川への集中的な雨水流出を抑制することを目的として、雨水貯留施設を備えた建設物の整備を推進しています。
このことから、洪水の被害が懸念される各自治体においても、建物を建てたり開発行為を行ったりする際に、雨水流出抑制策を義務づける条例が続々発令されています。

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千葉県市川市の場合

千葉県市川市では、真間川流域の市街化によって過去に5度の洪水被害が発生しています。このことから、2005年に全国でも早期に雨水流出抑制策を義務づける条例を制定しました。

市川市条例では、建物の建築にあたって雨水排水計画を市長に届け出ることが義務付けられています。また、工事完了時には検査が行われた上で適合証が交付されます。適合にあたる技術指針は具体的に、建築面積38m2ごとに、直径35cm深さ60cmの浸透ます1基の設置を求めるもので、条例施行からおよそ10年間で12,518基の浸透ますが設置されました。

この他、市川市では宅地開発に関する条例においても、500m2以上の建築・開発行為について雨水浸透および貯留施設の整備を義務付けています。

石川県金沢市の場合

石川県金沢市では、2009年に「金沢市総合治水対策の推進に関する条例」が交付されました。この条例では、建築物の建設や開発行為だけでなく、駐車場の新設や土地の舗装なども対象に含まれています。

具体的には、1,000m2以上の土地の開発事業を行う場合、雨水排水計画を策定した上で、あらかじめ市長に提出し協議する必要があります。雨水流出抑制施設の規格などは開発事業者側で決めることができますが、開発前後で雨水流出量が同程度で留められるように、綿密な計算を行うことが求められます。

埼玉県の場合

埼玉県では、市区町村レベルではなく県が条例を制定しています。2006年公布の「埼玉県雨水流出抑制施設の設置等に関する条例」によれば、1ha以上の開発行為または都市公園や駐車場の設置を行う場合は、雨水流出抑制施設の設置等が義務づけられています。

開発にあたっては知事の許可が必要で、許可を得ずに開発行為を行った場合には罰則規定が設けられています。また、施設設置後は標識を掲出して施設の存在を周知させることとしており、施設の機能維持を努力義務としています。

参照元:【PDF】公益財団法人 日本都市センター資料条例による建築・開発行為等における雨水流出抑制策の促進
https://www.toshi.or.jp/app-def/wp/wp-content/uploads/2022/10/reportg38_5.pdf

設置場所などの設置基準はあるの?

雨水貯留槽はどんな場所に設置できるのか

雨水貯留槽はどこにでも設置できるわけではありません。地形や土壌の性質、地下水などの条件によって、設置の可否が異なります。国土交通省の「雨水浸透施設の整備促進に関する手引き(案)」では、浸透適地か否か判断について、以下のような表を目安に行っています。また、地方公共団体や特定の都市河川流域で作成された「浸透能力マップ」の活用も推奨されています。

浸透適地・不適地の判断の目安(例)

判断条件 内容
地形・地質 適地:台地・段丘・扇状地・自然堤防・丘陵地等
不適地:沖積低地・盛土等人工改変地・切土面・地滑り防止区域・急傾斜崩壊危険区域、土砂災害警戒区域等
土質 透水性の良くない土質は避ける
土壌の飽和透水係数が10-7m/secより小さい場合は不適
間隙率が10%以下の場合は不適
粒度分布で粘土分が40%以上の場合は不適
地下水位 地下水位と浸透施設底面との距離が0.5m以上必要
地下水位の高い地域は、浸透能力が減少するので不適
周辺環境への影響 土壌汚染区域で、浸透によって汚染物質の拡散、汚染の予想される区域は除外
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※参照元:【PDF】国土交通省「雨水浸透施設の整備促進に関する手引き(案) ~浸透能力の低減を見込んだ効果把握及び 維持管理の考え方について~」
https://www.mlit.go.jp/common/000113727.pdf

具体的な設置場所

雨水貯留施設は、公園やスタジアム、商業施設、学校、駐車場、宅地、歩道などの地下に設置されています。また、適用対象外となるのは車道や急傾斜地、地下水位が貯留構造体よりも上にある(地下水位が浅い)土地です。

設置の条件

公益社団法人雨水貯留浸透技術協会の定める、プラスチック製貯留槽を設置する際の条件は以下の通りです。

  • プラスチック製の構成部材を現場組立てし、平坦に埋設するもの
  • 土被り(構造物の天端から地表面までの高さ):0.5~2m
  • 貯留槽高:最大4m
  • T-25荷重(車両総重量25トンに相当する荷重)対応
  • 長期耐久性があること
  • レベル2地震動で機能を確保する槽幅とすること

参照元:【PDF】公益社団法人 雨水貯留浸透技術協会「プラスチック製地下貯留浸透施設技術指針(案)【平成30年度改訂版】」
https://arsit.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/05/pra_manual30.pdf

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おすすめの雨水貯留槽3選

無料の雨水でコストを削減しつつ浸水被害を抑え、非常用水も確保できる雨水貯留槽。ですが、その性能や最適な設置場所は多岐にわたります。例えば、「狭いスペースへの対応力」、「大規模な貯留容量と効率的な施工」、あるいは「景観との調和や維持管理のしやすさ」など、メーカーごとに得意分野は異なります。ここでは、あなたのニーズにぴったりの製品が見つかるよう、特徴の異なる3社をピックアップしてご紹介します。

500㎥以上~
物流倉庫・工場などの
大規模開発工事なら

リスレイン
スタジアムⓇGT
(リス興業株式会社)

リスレインスタジアムGTの画像

引用元:https://www.risu-kogyo.co.jp/risurainstadium/gt/

おすすめの理由

重車両対応!
省掘削で短期施工を実現
  • 60t級クレーン対応の六角支柱構造により、物流倉庫や工場などで、荷物の積み下ろしエリアなどでのクレーン作業を中断せずに雨水貯留を導入可能。上部は舗装後、T-25車両が常時走行でき、搬入路や駐車スペースとしても安全に活用可能。
  • 第三者機関による構造評価書付きで、空隙率も94%と高く、各自治体の条例や流出抑制基準への適合がスムーズ。 モジュール式施工により1日300㎥という圧倒的な施工スピードで500㎥を超える大規模な貯留容量も短期間で確実に設置可能。 また、点検口の配置も自由自在で、メンテナンス維持に欠かせない長期的な管理まで容易に構築できます。

こんなお悩みにおすすめ

  • クレーン作業を中断せずに、工事も同時に進めたい…
  • 貯留槽の上を駐車場や重車両の通路として最大限に活用したい…。
  • 大規模な貯留量を確保したいけど、工期はできるだけ短くしたい…。
200~500㎥
集合住宅などの
中規模開発工事なら

クロスウェーブNe
(積水化学工業株式会社)

クロスウェーブNeの画像

引用元:https://sekisui-cw.co.jp/dl/data/CW_J_2025_5.pdf

おすすめの理由

駐車場下で短工期
節水と防災両立
  • 空隙率95%の高効率構造で限られた敷地でも必要容量を確保しやすく、深さ0.5〜2mの5タイプを同一モジュールで切り替えられるため、階高や敷地条件の異なる集合住宅計画にも柔軟に対応できる。
  • 浸透パネルの後付け対応や、掘り返し不要の構造により条例変更時の追加工事を回避できるうえ、軽量ブロック構造で点検や清掃も容易なため、長期的な維持管理負担も抑えられる。

こんなお悩みにおすすめ

  • 敷地の制約が厳しく、雨水貯留槽の設計に困っている…。
  • 長期的な維持管理のコストはできるだけ抑えたい…。
  • 限られたスペースを最大限に活かして、必要な貯留量を確保したい…。
200㎥以下
戸建ての宅地造成などの
小規模開発工事なら

システムパネル
(エバタ株式会社)

システムパネルの画像

引用元:https://www.ebata.co.jp/ebata/products/products001.html

おすすめの理由

重機不要!
パネルを組むだけ簡単施工!
  • 95%の高い空隙率を誇り、掘削範囲を最小限に抑えながら有効容量を最大化。200m³以下の小規模な現場に最適で、限られた敷地面積を最大限に有効活用できます。重機が入らない狭小地でも、人力でスピーディーに設置できるため、戸建ての宅地造成などでパフォーマンスを発揮します。
  • 50cm角・約2kgの軽量パネルは重機を使わずに搬入・組立が可能で、狭小地や造成済み宅地でも静かに短工期で設置できるため、後付けを含む小規模住宅への導入に適している。

こんなお悩みにおすすめ

  • 狭小宅地での貯留スペース確保が課題...
  • 特殊な重機を使わず施工したい....
  • 専門知識がなくても施工したい...

品質・安全性・施工実績を備えた
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