Q.設置工事はどのくらいの工数がかかるのか?
積水化学工業のプラスチック貯留材「クロスウェーブ」の公式サイトによると、1,000㎥の貯留槽を施工する場合、クロスウェーブはおよそ5日で完了します。一方、同規模の地下式コンクリート雨水貯留槽は約10日の工期を要します。
これは、プラスチック槽のほうが搬入・組立が簡易であることや、コンクリートと異なり養生期間が不要であることが要因となっており、クロスウェーブ以外のプラスチック槽製品でも同様の工期が実現できます。
Q.浮力対策とは?
浮力とは、雨水貯留槽の施工後に、槽の中に貯留した水によって発生する浮く力のことです。これは、地下水位が貯留槽底面よりも上になった場合に生じるもので、構造体に浮力や水圧がかかることで、プラスチック槽やシートの破損等といった事故が懸念されます。
一般的に、雨水貯留槽は地下水位よりも上に設置するものとされていますが、地下水位は降雨で一時的に上昇する場合もあり、これに備えて浮力対策を行う必要があります。具体的な浮力対策の方法としては、設計段階で土質や地下水位について調査を行うことが必要で、一時的に地下水位が上昇することが判明している場合には、土被り荷重による抵抗等を考慮して、個別に安定性を検討することが求められます。
※浮力対策に対する詳しい資料は、公益社団法人雨水貯留浸透技術協会による施術指針案をご確認下さい▼
Q.道路の下に施設を設置することは可能?
雨水貯留浸透技術協会の技術指針では、雨水貯留槽施設の設置にあたって、T-25荷重への対応を条件としています。これは、貯留槽の上を25t車が通過したり一時的に停車しても壊れない耐性を意味するものです。ただし、あくまでも一時的な荷重への耐性であり、日常的な車輛の走行を想定した道路には、専用の雨水貯留浸透槽製品があります。
Q.工事費用はどのくらいかかるのか?
雨水貯留槽の設置にかかる費用は、材料費と工事費に大別されます。一般的に、施工にかかる日数や作業人数が多くなるほど工事費用は多くかかります。
具体例として積水化学工業「クロスウェーブ」の公式サイトの記載を引用すると、1,000㎥の貯留槽を施工する場合、地下式コンクリート雨水貯留槽は材料工事費込みで約4,600万円、プラスチック製のクロスウェーブは約2,700万円と見積もられています。これは、プラスチック製貯留槽の施工のしやすさがそのまま工数に反映された結果であり、工事が簡単であるほど費用は安くなることが一般的です。
なお、雨水貯留槽の費用については、容量や設置環境などの条件によって変動します。そのため公式サイトで価格を公表している会社はほぼありません。設置を検討する際には、無料で見積もりをとることをおすすめします。