雨水貯留槽は設置して終わりではありません。本記事では、雨水貯留槽を放置するリスクから、点検・清掃の具体的な手順、作業時の安全対策まで、維持管理の重要ポイントを解説します。
雨水貯留槽をメンテナンスせず放置するとどうなる?
落ち葉・流入ゴミによる機能低下
雨水貯留槽は、雨水とともに流入する土砂や泥、ゴミを受け止める構造になっています。これらを定期的に除去せずに放置し続けると、槽内の空間が堆積物で埋まってしまい、本来ためられるはずの雨水を貯留できなくなります。
また、浸透式の施設においては、目詰まりによって地中への浸透能力が低下してしまうリスクもあります。豪雨災害や浸水被害を防ぐという本来の目的を果たすためにも、定期的な点検と清掃は欠かせないのです。
雨水貯留槽の清掃・メンテナンス方法
雨水貯留槽の性能を維持するためには、適切な手順で清掃を行う必要があります。ここでは主なメンテナンス方法について解説します。
流入施設(泥溜め)の清掃
最もゴミや土砂がたまりやすいのが、雨水の入り口にある流入施設です。
ここには「泥溜め機能」が設けられており、槽本体へ土砂が流れ込むのを防いでいます。メンテナンスの基本は、この桝に堆積した土砂や汚泥をバキューム車などで吸引・除去することです。ここをきれいに保つことで、槽内への異物流入を最小限に抑えることができるでしょう。
点検口からの目視・カメラ調査
槽内部の状況は、地上に設置された点検口から確認します。 目視で確認できる範囲は直接チェックし、奥まって見えない箇所については、自走式カメラなどを活用して調査を行います。これにより、堆積物の状況や槽の破損などを把握できます。
槽内部の清掃作業
槽内に土砂がたまっている場合は、清掃作業が必要です。 製品によっては、点検口からバキュームホースを挿入して堆積物を吸引したり、高圧洗浄機を用いて洗浄したりすることが可能です。
また、「パネケーブ」のように人が入れるサイズ(幅800mm×高さ800mmなど)の点検通路(人通孔)や昇降用ステップが設けられている製品では、作業員が内部に進入して本格的な清掃やメンテナンスを行うことができます。
参照元:エバタ株式会社|雨水貯留浸透施設(https://www.ebata.co.jp/ebata/products/products002.html)
清掃・メンテナンス作業時に注意するべきことは?
雨水貯留槽のメンテナンスは、危険を伴う作業でもあります。事故を防ぐために、以下の事項を必ず守ってください。
必ず2人以上で作業し、安全確保を徹底する
点検や清掃を行う際は、必ず2人以上の体制で実施しましょう。万が一の事故や緊急事態に備え、1人は必ず地上で待機し、連絡が取れる状態にしておく必要があります。また、降雨中の点検・作業は非常に危険ですので中止してください。
酸欠・有毒ガスへの対策
貯留槽内は地下空間であるため、場所によっては酸素欠乏症や危険ガス発生のリスクがあります。
作業にあたっては労働安全衛生法などの関連法規を遵守し、事前に有資格者による酸素濃度の測定や、十分な換気を行ってください。安全が確認できない状態で内部に入ることは絶対に避けましょう。
専門業者への委託を推奨
維持管理作業には専門的な知識と安全対策が不可欠です。自社での対応が難しい場合、清掃や点検は専門の業者へ委託することをおすすめします。
その他の禁止事項
施設の破損を防ぐため、槽の上部で想定重量以上の重機の使用や重量物を置いたりすること・槽の上部で焚き火を行うこと・有機溶剤、化学薬品、鉱油類、高温の排水を流入させることなども、施設の破損や変形を招くため避けるようにしましょう。
参照元:エバタ株式会社|システムパネル槽[※PDF](https://www.ebata.co.jp/ebata/products/maintenance/pdf/systempanel_maintenance.pdf)
参照元:クボタケミックス|RAIN望スタジアムⅠ・Ⅱ維持管理マニュアル[※PDF](https://www.ebata.co.jp/ebata/products/products002.html)

