プラスチック製雨水貯留槽の導入を検討する際、「水質汚染などのリスクはあるのか?」と不安に感じる方もいるでしょう。本記事では、マイクロプラスチックの発生を中心に、雨水貯留槽の水質汚染リスクについて調査しました。
雨水貯留槽自体からマイクロプラスチックが発生するリスクは?
プラスチック製の雨水貯留槽そのものが、マイクロプラスチックの発生源となるリスクは低いといえるでしょう。その理由は、雨水貯留槽が地下に埋設されて使用される環境と、使われている素材の特性にあります。
地下埋設による紫外線・熱劣化の抑制
雨水貯留槽は地中に埋めて使用するため、プラスチック劣化の主な原因となる「紫外線」や「熱」に直接さらされることがありません。通常、プラスチック製品は太陽光を浴び続けることで化学的劣化が進みます。しかし、地下空間ではこれらの影響が遮断されるため、太陽光による化学的劣化は通常発生しないと考えられています。したがって、槽自体が劣化してボロボロに崩れ、マイクロプラスチックを排出するリスクは低いと言えます。
参照元:岡三リビック株式会社|ジオプール工法 specialsite(https://www.okasanlivic.co.jp/lp/geopool/)
プラスチックに使われる可塑剤のリスクについて
ポリ塩化ビニル(PVC)などの一部のプラスチック素材には、柔軟性を持たせる目的で「可塑剤」という添加剤が使用されることがあり、これが水に溶け出して環境汚染を引き起こすリスクが指摘されています。
しかし、雨水貯留槽の原料には主にポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)といった樹脂が使われています。これらの素材には可塑剤による溶出リスクが該当しにくいため、水質汚染の懸念が少ないといえます。
注意すべきは「外部から流入する」マイクロプラスチック
雨水貯留槽自体からマイクロプラスチックが発生するリスクは低いものの、外部の環境から施設内に流れ込んでくるリスクについては留意が必要です。
雨水とともに陸上のプラスチックごみが流れ込む可能性
現在、街なかに落ちているプラスチックごみなどの「陸上の廃棄物」が流出し、環境中で劣化・微細化して5mm以下のマイクロプラスチックとなる問題が起きています。雨水貯留槽の素材や構造自体が安全であっても、降雨時に街の地表を流れる雨水には、こうした外部由来のマイクロプラスチックが含まれている可能性があります。
そのため、雨水を集めて貯留する過程で、陸上のプラスチックごみが微細化したものが雨水とともに槽内へ流入する恐れがある点には注意しなければなりません。
参照元:国立環境研究所|陸上の廃棄物が海洋マイクロプラスチックになるという話(https://www-cycle.nies.go.jp/magazine/kenkyu/201902.html)
まとめ
プラスチック製雨水貯留槽自体は高い安全性を担保できるよう製造されており、水質汚染を過度に不安視する必要はないといえます。導入を検討している場合、これらの素材特性と正しいリスクを理解した上で冷静に判断をしましょう。

